横浜に本拠を置く豪田組の若頭「大神龍二」は仁義を重んじ、物事の筋道をはっきりと通すヤクザである。時代遅れで不器用ながらも、面倒見のいいことから、シマの堅気衆に頼りにされていた。そんな龍二の回りで堅気衆の生活を脅かす悪質な事件が次々に起きる。舎弟の「和希」、高級クラブのチーママ「恵」、大きな野望を秘め、事件の裏で暗躍する同じ組の幹部「高田」など、個性豊かな仲間やライバル達がストーリーに絡みあう。龍二は仲間と、そして街の秩序を守るために、自身の危険を顧みず、事件に立ち向かうのだった。 【弟1話】 豪田組の若頭、大神龍二は、後輩の金田雄一・ひろみの兄妹が経営している喫茶店リュウに顔を出す。しかし、ヤクザである龍二は店の邪魔者とばかりにひろみに煙たがられてしまう。その夜、舎弟の和希と共に繁華街へ繰り出した龍二は、馴染みのクラブで新たにチーママを任されたというホステス、恵を紹介される。彼女の姿に暗い過去の記憶が蘇る。 一方、ひろみはチンピラ達に絡まれているところを、三島という男に助けられる。これをきっかけに二人は付き合い始め、やがて身体を重ねる関係に。しかし、三島はひろみの眠っている間に彼女の裸体を盗撮し、金目の物を奪って姿をくらます。後日、三島は悪党の本性をさらけ出し、盗撮写真をちらつかせ、盗んだカードの暗証番号とリュウの売り上げまでも要求してきたのだ。誰にも相談できないひろみは店の金に手を出そうとするが・・・。 【弟2話】 昔から通うキックボクシングジムで体を動かす龍二。恵と出会ってから、龍二の頭からは過去の記憶が離れないでいる・・・。一方、舎弟の和希は喫茶店リュウで待ち合わせ。やってきたのは出会い系サイトで知り合った、ローラと名乗る女性であった。 その夜、和希とローラはデート中に正体不明の集団に襲われる。囲まれた和希は、激しい暴行の末、病院送りに。また、何とかその場から逃れたローラだったが彼女も無事ではすまなかった。怒りと悲しみで、怪我の痛みを忘れるほど取り乱す和希。集団の正体は、横浜で連夜、無差別に人を襲い、金品を奪う若者たち。その標的は一般人だけでなく、警察官にまで及び、すでに拳銃を強奪している。和希の気持ちを汲んだ龍二は、情報屋・秀の元へ急ぐ・・・。 【弟3話】 スーツを着た男たちに、路地裏でカラまれている気弱そうな中年男、登坂。相変わらず人の良い龍二は彼を助け出し、一旦リュウへ担ぎ込む。しばらくすると、登坂を迎えに来る娘・涼。幸せな親子の関係に平和な時間が流れるリュウの店内であったが、龍二だけは先ほどのスーツの男たちと登坂の関係が気になっていた。あくる日、登坂から龍二に助けを求める連絡が。涼がこの間の男たちに拉致されたのだという。警察ではなく、ヤクザである自分に助けを求める登坂に疑問を感じる龍二。事件の発端は、涼を想う、登坂の親心からであった・・・。 【弟4話】 テレビで流れる衝撃のニュース。豪田組が現職の政治家と共謀し、金と引き換えに、票の取りまとめをしたというもの。信じられない龍二達、しかし、放送直後、組から連絡が入り、全ては高田が仕組んだことであると判明。高田は龍二への対抗心を剥き出しにし、裏の世界で成り上がる為、自分が属する豪田組すらも利用したのだった。さらに高田は龍二を追い詰めるべく、恵を拉致。全てが高田の思うようにことが運ぶ。恵と会ったときから離れない、苦い過去の記憶・・・。その記憶と決着をつけるため、今夜、龍二は戦場に赴く・・・。
